最近思うことに世の中がとても便利になってきたことがある。

それは、私たちが願ってきたことで、今も皆が願うことでもある。

でも、それは本当に私たちに幸せをもたらしているのだろうか

便利さを手にすることで私たちが失っていくものはなんだろうかと考えたりする。

私の幼かった頃は、やっと色々な家電も出てきたところで母親たちは家事に追われ、結婚しながら外で仕事をするということは本当に大変だったのだと思う。私の母は、1日家事で追われていた。

子供ながらに母親はか大変だなと思っていた。

結婚をするか？仕事をとるか？

私の育った地域では女は、結婚をしたら良き妻として、良き母として生涯を捧げるのが当然だと思われていた。

仕事や自分のやりたいことがあるのなら独身でいるしかないような風潮があった。

私は絵をもっと学びたかったし、やりたいことが山ほどあった。そして奉仕活動に関わっておりそれを続けるには結婚はしない方が良いだろうと思い。特に結婚に憧れもせず過ごしていた。

その時代を振り返れば、便利になったことは、女性が世の中に出られるサポートをしてくれたことは間違いない。

ただ、便利さというものは人を傲慢にもするようにも思う。

デメリットもある。

私は色々な国を周り、感じたことに自然と関わる仕事をしてきている人は案外、我慢強い。

農業や水産業や林業などであるが、その会う方々と話をして思ったのは

自然相手の仕事は、こちらがコントロールしにくく、天候や自然環境で人間が努力をしても叶わぬことがあることを身をもって知っている。

台風で全ての収穫がなくなっても我慢するしかない。誰も恨みはできない。そして痛みを味わった人間は優しくなれる。

震災の時に多くの人が海に向かって手を合わせている映像をテレビで見た。自然の力の前には、人は無力であり、最後は神に祈るように思えた。それがまた感謝の気持ちにもつながるのではないか。

今後、AIはものすごい速さで私たちの生活に入り込んでくる。

でも人が生活する中で不便なことに発想力や想像力を加え、それから便利なものを作り出す力は素晴らしい人の力だと思う。

人の日々の経験は、AIの大量な情報を収集した以上に私は偉大なことのように思う。時折、AIが経験したことに基づいてと書いてある文を見るが、私は経験ではなく情報収集だと思う。そこに痛みや喜びはない。

経験から学ぶのは事柄だけではないように思う。その時の心の在り方であったりするのではないか。

時間をかけて大事に育てること、人の力を使い進めること、そしてAIに任せること。それを今後の世の中は、見極めていかないと幸せは私たちから遠のいて行くように思う。

時間は早く進むことが良いことではない。ゆっくり流れる時は人間にとり心地よい。

人と人が出会い、考えを巡らし、何かを作り出すことは、AIが想像できない何かが生まれるような気もしている。